バレエ白鳥の湖「パドトロワ」を徹底解説!バリエーションや衣装の違い | 【自分に向いている仕事】を見つける方法

バレエ白鳥の湖「パドトロワ」を徹底解説!バリエーションや衣装の違い

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「白鳥の湖」の「パ・ド・トロワ」(Pas de trois)は、
フランス語で「三人の踊り」を意味し、
通常は第一幕で披露されるトリオの踊りです。

このシーンは物語の中心とは直接関係ありませんが、
観客に楽しさと技術的な見せ場を提供する重要な部分なのです。
今回は、白鳥の湖のパ・ド・トロワとバリエーションについて解説していきます。

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白鳥の湖 パドトロワ 第1バリエーションとは?

「第1バリエーション」は、
パ・ド・トロワの中で一番最初に行われるソロの踊りです。
通常は女性ダンサーが担当し、
その技巧的な動きと優雅さが求められます

このバリエーションでは、
速いテンポの音楽に合わせて軽快で跳躍の多い振り付けが特徴です。
観客にとってはバレリーナの技術力と表現力を堪能できる見どころとなります。

具体的な振り付けはバレエ団や演出家によって異なることがありますが、
クラシックバレエの基本に忠実なスタイルが一般的です。

白鳥の湖 パドトロワ 第2バリエーションは、2番目に披露されるソロの踊り。

「白鳥の湖」の「パ・ド・トロワ 第2バリエーション」は、
「パ・ド・トロワ」の三人で踊る部分の中で、二番目に披露されるソロの踊りです。
通常、このバリエーションは男性ダンサーが担当し、
力強さと華麗さを兼ね備えた演技が求められます

この第2バリエーションは、
バレエダンサーの技術力を示すための重要な部分で、
特に跳躍や回転といった高度な技術が強調されます。

テンポの速い音楽に合わせ、
ダンサーはエネルギッシュでダイナミックな動きを見せ、
観客に深い印象を与えます

振り付けはバレエ団や演出家によって若干の違いがあるかもしれませんが、
クラシックバレエの伝統に則ったスタイルが一般的です。
このバリエーションもまた、
バレエ「白鳥の湖」の中で非常に重要で見応えのあるシーンとなっています。

白鳥の湖 パドトロワ 第3バリエーションは、最後に披露されるソロの踊り。

「白鳥の湖」の「パ・ド・トロワ 第3バリエーション」は、
「パ・ド・トロワ」の最後に披露されるソロの踊りです。
通常、このバリエーションも女性ダンサーが担当します。

第3バリエーションは、その優雅さと繊細さが特徴であり、
ダンサーの表現力と技術力を際立たせる重要な部分です。
このバリエーションでは、ゆったりとした美しい動きと、
柔軟性を活かした優雅なポーズが多く見られます。
音楽は比較的ゆっくりしたテンポで、
感情豊かな演技が求められます。

このソロでは、
バレリーナがしなやかに動きながらも強さを見せることが重要であり、
観客に深い感動を与えるシーンとなります
振り付けはバレエ団や演出家によって異なることがありますが、
伝統的なクラシックバレエの美しさを保つことが一般的です。

第3バリエーションも「パ・ド・トロワ」の一部として、
全体の調和と個々の技術を見せる重要な役割を果たしています。

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パ・ド・トロワ、パ・ド・ドゥ、パ・ド・カトルの違いは?

「白鳥の湖」第一幕で有名どころのバリエーションといったら、
まずパドトロワがあげられます。
「白鳥の湖」は二幕からが有名なので、
あまり第一幕をご存じない方もいらっしゃると思いますので、
ちょっとだけ第一幕をご説明したいと思います。

第一幕はジークフリート王子が白鳥オデットに出会う前のいきさつが描かれる場面で、
野外で王子の誕生日パーティーが行われています。
王子の近しい親戚や、仲のよい友人たちを招いて、
貴族のピクニック的な雰囲気です。
そこで王子といっしょに二人の女性が踊るのが、パドトロワです。

男女の踊りというと、『パドドゥ』ですが、
これは男女2人ペアのものをさし、
男性一人に対して女性が2人という、
両手に花の3人スタイルのものを『パドトロワ』といいます

「アン、ドゥ、トロワ」というようにフランス語で「1,2,3」
トロワは3という意味なんですね。
ちなみに4人の踊りだと「パドカトル」になりますが、
実は「パドカトル」という演目もあります。

これは、特にストーリーのない1幕ものの作品で、
全員女性で踊られる作品のようです。
白鳥の湖の2幕には、有名な「4羽の白鳥たちの踊り」があります。
4人のダンサーが最初から最後まで手を交差してつないだまま踊り、
足の動きの美しさだけを見せる特徴的な一曲ですが、
これもパドカトルといえますね

パドドゥの場合、まずアダージョといって2人で踊り、
女性ひとりで踊る女性バリエーション、
男性一人で踊る男性バリエーション、
そして最後にまた2人でコーダを踊る、
という4部構成です。

パドトロワの場合は、3人で踊るアダージョがあり、
一人目の女性が踊る第一バリエーション、
その次に男性バリエーションがはさまり、
二人目の女性が踊る第二バリエーションがあり、
最後にコーダでまた3人で踊るという構成になっています。

パドトロワのコーダの曲が聞こえてくると、
ああ、もうそろそろ一幕も終幕だな、という感じです
王子は、この誕生日パーティーで弓矢をプレゼントされるのですが、
その弓矢をもって狩りに行ったところ、
湖で白鳥オデットに出会ってしまうというストーリーに続いていきます。

白鳥の湖の第1バリエーションと第2バリエーション どちらも軽やかな踊りで人気

第一バリエーションの女性は、
跳ねるような軽やかさのなかにも、落ち着いた上品さがあり、
楽曲としても非常に耳なじみがあり人気のあるバリエーションです。

第二バリエーションの女性は、
茶目っ気のある元気な女性なんだろうなあ、と
思わせるような快活な踊りが魅力です。

王子もいろんな女性がお好きなようです(笑)
まあ、お友達ですが。
王子のお友達ですから、二人とも貴族の女性、ということになりますね

女性ふたりの踊りがとても軽やかで明るい踊りなのに対して、
間に挟まる男性バリエーションは
あまりカラッと元気な曲ではないのが面白いところです。
ちょっぴり王子の苦悩も表現されているのか、
これからはじまる悲劇を予感させるのか、
すこし重量感の感じられる曲です。

男性バリエーションの踊りといったら、
ぴょんぴょん跳んでひたすらくるくる回る大技披露、
というイメージがあるかと思いますが、
パドトロワでの王子は、とにかくジャンプの技が多いのが特徴です。
しかも、華やかな技というよりは、地味にきつくて難しい、
という感じのジャンプ技が連発していますので
こちらも注目してご覧になるとよいかもしれません。

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白鳥の湖の衣装チュチュとパ・ド・トロワ

ここで、ちょっとだけバレエ衣装のチュチュのお話をしたいと思います。
スカート丈が短く、チュールを何枚も重ねた
「THE バレリーナ」というようなシルエットになる衣装は、
クラシックチュチュとよばれます。

このチュチュを着るのは、
とにかく足のテクニックをきれいに魅せる踊りの場合です。
パドドゥを踊るときや、ソリストの多くはクラシックチュチュを着ます。

少し丈が長くなると、オペラチュチュと呼びます。
オペラチュチュも非常に人気が高く、
コッペリアのスワニルダや村娘役、くるみ割り人形の花のワルツなど
多くの演目で着られています。

そして、もっと丈が長いものをロマンティックチュチュといっています。
ロマンティックチュチュは、膝がかくれるくらいの長い丈ですが、
オーガンジーなどのふわふわと軽い布地を使用しているので、
足の動きによって軽やかに揺れるのが特徴的です。

それからチュチュではなく、貴族のようなドレスを着ている役の人がいます。
これらの人はメインで踊る人たちではなく、
マイムという演技メインのダンサーです。
物語の構造上、1幕でそれらが多いような気がします。
また、3幕に多い舞踏会や結婚式など宮廷行事のシーンで、
まわりで観覧している貴族たち、などがそれにあたります。

パドトロワに話を戻しましょう。
パドトロワの衣装はとても上品で、少し丈のあるオペラチュチュ、
もしくはロマンティックチュチュの場合が多いです。

子供が踊る場合はオペラチュチュを、
大人が踊る場合はロマンテックチュチュが選ばれることが多い気がします。
おそらく、ロマンテックチュチュでひらひら揺れる動きが、
曲の軽やかな感じとマッチするのではないかなと思います。

女性二人の衣装を同色に揃える場合がほとんどですが、
あえて違う色にして性格の違いをあらわしたりするカンパニーもあります
衣装に注目して鑑賞するのも、また楽しいものですね。

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「白鳥の湖」だけじゃない!パドトロワが見られるバレエ「パキータ」「海と真珠」

「男性一人に女性二人」という3人で踊るものをパドトロワと呼ぶ、とお話しました。
パドトロワは、「白鳥の湖」1幕が一番有名ですが、
他の演目にもパドトロワという曲はいくつかありますので、ご紹介したいと思います。

ひとつめは、「パキータ」のパドトロワです。
「パキータ」は全幕を上演することがほとんどありませんが、
スペインのジプシーの娘とフランス軍の青年との恋物語を描いた作品です。
歴史のなかで、いろいろと振り付けや構成が改訂されていき、
初演のものは幻の作品となってしまいました

現在よく知られているパキータの小品の多くは、
振り付け家プティパが、
踊りとしての見せ場を増やすために大幅な改訂を行ったものが、
そのまま伝えられているそうです。

もうひとつご紹介するのが「海と真珠」のパドトロワです。
「海と真珠」という名前で定着していますが、
これは正式な演目名ではなく、抜粋のものなんだそうです。

演目は「せむしの仔馬」という超マイナーな演目で、
ロシアの民話をもとにしたバレエ作品です。
そのお話のなかで、お姫様の指輪をさがしに海底大国へ行き、
宝石がついた指輪(つまりその宝石が真珠というわけです)をさがしているので、
海と真珠とよばれています。

原作はほとんど知られていないのに、バレエ教室の発表会ではよく踊られます。
ちょうど小学校高学年、中学生ぐらいになって、
はじめて男性と組んで踊るような場合に
パドドゥの練習曲のような位置づけで使われています

パドトロワのなかでも、女性2人で踊る真珠のバリエーションが一番有名です。
2人の女性が双子のように動きをシンクロさせて踊るのが
非常にチャーミングで私も大好きです。

まとめ

パドトロワについていろいろお話してしてきました。
3人で踊るパドトロワは、「白鳥の湖」1幕がいちばん有名ですが、
ほかの演目にもパドトロワがあるので、
興味があればぜひご覧になってみてください。

パドトロワで個人的に好きなマニアックポイントは、
なんといっても踊る前のポーズのかわいらしさかなと思います

バレエの踊りはじめは、
音楽が先行してダンサーが袖から出てくるタイプと、
ダンサーが舞台上でポーズをする、
もしくはなにかのきっかけになる振りをしてから音楽が始まる板付きタイプ
とあるんです。

パドトロワは、たいてい3人が並んで手を交差でつないで登場します。
そして、3人とも進行方向の片足を1歩出し、
首はそれと逆方向にくいっとかたむけたポーズではじまるのがお馴染みの形です。

このポーズがぴたっときまったら音楽がはじまるのですが、
個人的にはこのはじまりのポーズがとてもかわいらしくて好きです。

もしパドトロワを見る機会があれば、
またお子さんが発表会で踊られる機会があれば、
今回お話したいろいろなうんちくを思い出してご覧になってみてください。
きっとバレエ鑑賞が楽しめること間違いなしです。

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