舞台や発表会【立ち位置と印や入退場のコツ】舞台裏方アドバイス | 【自分に向いている仕事】を見つける方法

舞台や発表会【立ち位置と印や入退場のコツ】舞台裏方アドバイス

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発表会前にたくさん練習したのに、

前日リハーサルでいざ舞台上に立ってみたら

全然感覚が違って思うように踊れなかった経験、ありますよね?

 

先生に言われた位置に行けなくて動きを間違えてしまった人や、

次の拍までに所定の場所にたどり着けなかった人、

少なくないのではないでしょうか。

 

本番の舞台は、普段のお稽古スタジオと比べてとても広いです。

また、照明が当たって眩しくて舞台上の印がよく見えないこともあります。

そんな広い舞台での位置取りには、慣れとちょっとしたコツがあります。

 

今回は、長年バレエの発表会の裏方スタッフをしていた私が、スタッフ側の視点で、

舞台での位置取りや段取りがうまくいくコツなどをお話していきたいと思います。

 

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舞台や発表会のリハーサル「場当たり」の目的は、一番きれいに見えるようにするため

舞台や発表会のリハーサルでは、

「場あたり」という舞台上での段取りを確認する作業があります。

 

このとき、どうして先生が踊る場所や位置を口うるさく指示すると思いますか?

それは、踊る人たちやその踊りが一番きれいに見えるようにするためです。

 

舞台には、舞台照明という演出効果があり、あなたを一番キラキラ輝く姿にしてくれます。

 

恥ずかしがって、舞台の奥のほうで踊ってしまうと、

奥はあまり照明があたらないので、あなたの姿が暗く陰になってしまいます

 

あなたの舞台を楽しみに見にきた家族や友達に一番輝く美しい姿を見てもらうために、

小難しい段取りがあるんですよ。

 

バレエの舞台や発表会で、立ち位置の印をうまく拾うコツ

発表会では、舞台のバレエマットの上にビニールテープなどで、

立ち位置の印をつけてありますよね。

特に低学年や年少クラスで、複数人で踊る場合には、一人一人の足元にも印をつけます。

 

慣れていないと、その自分の印だけを追って探してしまいがちで、

逆に、自分が舞台上のどのへんの位置にいるのか迷子になってしまうのです。

 

ポイントは、小さな印を追うよりも、ひろく遠くを見るようにすることです。

遠く全体をみることで、ざっくりとした位置の感覚をつかむことが大事です。

 

舞台での位置取りには、

横(左右)の位置取りと、縦(奥行)の位置取りの2つの要素があります。

2つの位置取りについて詳しく説明していきましょう。

 

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舞台の横(左右)の位置取り方法。センターのT字を自分の視界にいれよ!

舞台袖から舞台に出ていったら、まず、客席の方向を見ましょう。

 

すると、舞台の一番前のセンターに、必ず大きな目印がつけてあります。

アルファベットのTの印であることが一般的です。

 

そしてバレエの場合ですと、舞台奥に向かって

レーザーポインターのような小さな赤いランプが、センターに付けてあることが多いです。

薄暗い転換の照明でも見えるように、です。

 

まずは赤いランプを目印に、センターへ向かいましょう。

 

次にセンターよりも上手側(かみて)、センターよりも下手側(しもて)に位置をとる場合です。

舞台センターのT字の印から両外に一定間隔に印がついているはずです。

 

この印は1m80cm間隔でついています。

T字から1個目の印なのか、T字から2個目の印なのか。

これでだいたいの場所をとります。

 

この印にも、レーザーポインターを付けてある場合があります。

その場合は、ランプの色を変えてあるはずです。

 

たとえば、

センターから外へ1個目(つまりセンターから外へ1m80cm)は緑ランプ、

センターから外へ2個目(つまりセンターから外へ3m60cm)は青ランプ

などの規則性がありますので、色と位置を覚えてしまうとよいでしょう。

 

このレーザーランプさえ見ておけば、舞台の横の位置はだいたいとることができます。

 

発表会の場合、正確に足元の目印テープにたどり着けなかったとしても、

この方法を使ってだいたいの場所がとれていれば、見栄えが悪くなることはありません

照明もきちんと当たりますので安心してください。

 

年齢が上がるにつれて、細かいひとつひとつの立ち位置の印がなくても踊れるようになりますよ。

 

もし発表会でこのようなランプや目印が全くなかったよ、という場合は

スタッフさんに落ち度がありますので、要望を出してテープで印をつけてもらいましょう。

 

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舞台の縦(奥行き)の位置取り方法。袖幕からのスタンド照明を意識せよ!

 

次に、舞台の縦(奥行き)の取り方です。

 

方法は2つあります。

袖幕の枚数でみるやり方と、バレエマットの枚数でみるやり方です。

 

袖幕とは、舞台の上手側と下手側両方に、何枚も吊られて垂れ下がっている黒い幕のことです。

手前から1袖、2袖、3袖などという名称で呼ばれたりします。

 

バレエの入退場(出はけといいます)でメインになるのは、

2枚目と3枚目の袖になるかと思います。

 

ただ、舞台上に立ちますと、袖幕の奥に立っているスタンド照明が、

舞台のセンターに向けて光っているので眩しくてあまり袖幕が見えません

 

どちらかというと、袖幕のところから光る照明のまぶしさを頼りに、

自分が今何番目の袖幕のラインにいるのかな、ということを確認してください。

たいてい袖幕ごとにスタンド照明が置いてあるので、光を頼りに自分の位置を確認できます。

 

さらに細かい位置をとる時は、床のバレエマットの枚数を頼りにします。

 

バレエマットは横向きに敷く場合と、縦向きに敷く場合があります。

横向きに敷く場合が多いので、「横敷き」のケースでお話をします。

 

マットとマットのつなぎ目には、リノリウムテープという透明なテープが貼ってあるので、

必ずパッと見てわかります。

そのテープを目印に、いま前から何枚目のマットにいるのか、

ということを確認して位置をとることもありますよ。

 

舞台の立ち位置の確認方法 斜めのフォーメーションは透明ビニールテープを貼る

 

そして、バレエで多いのは、斜めのフォーメーションです。

舞台奥から舞台前に向かって斜めに進む動き、

斜めに並ぶフォーメーションが非常に多いですよね。

 

この場合も、スタッフさんにお願いして、基本となる斜めラインをひいてもらいましょう

細い透明なビニールテープでラインをひけば、ダンサーには見えて、

客席からはそんなに気にならないぐらいの見え方です。

 

私はいつも、センターの縦ライン、斜めラインを左右どっちもバッテンにひいていたので、

舞台床におおきなコメ印が書かれたようになっていました。

この方法が一番ダンサーさんには親切なのかな、と思います。

 

舞台や発表会の入退場(出はけ)は、袖幕の位置も間違えないようにしよう!

 

以上のように、舞台でいるときの場所の取り方はこれでOKです。

 

踊り終わったら、センターの前に出てきて、慌てずゆっくりレヴェランス(お辞儀)です。

ここをしっかり丁寧に行いましょう。

じゃないと、お客さんが存分に拍手できなくなってしまいます。

 

舞台袖にスムーズに「はける」のが大事な理由

そして、場(はけ)の方向も大事です。

上手にはけるんだったかな?下手にはけるんだったかな?何番目の袖幕だったかな。

舞台からスムーズにはけるのが大事な理由は、

次に出て踊る人とかちあわないようにするためです。

 

1人で踊るバリエーションが続く場合は、上手から出て下手にはける、

などとルールを決めていたりしますが、

複数人数で踊る場合には、両袖から出てきて両袖にはけていく、という場合もあります。

 

はける時って、袖幕から舞台上に向かってスタンド照明が照らされているから、

とっても眩しいですよね。

目つぶしをくらった状態ではけるので、袖の向こう側はあまりよく見えませんよね。

 

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じつは危ない!出はけの袖幕の場所を決める理由と、はける時のコツ

 

舞台の入退場は、じつはとても危険なのです。

だから、次に出る人とかちあわないように

きちんと出はけの袖幕の場所を決めておく必要があるんです。

 

舞台からはけるときのコツは、スタンド照明の光を目指して走っていき、

必ず照明の光より舞台奥側に入っていくことです。

 

下手にはけるときには、スタンド照明の光の右側に入っていきます。

上手にはけるときには、光の左側に入りましょう。

逆によけると袖幕にぶつかってしまいますよ。

 

舞台に出る場所も重要です!照明や音響スタッフはあなたの動きを追っています

 

はける場所も大事ですが、出る場所も大事です。

 

先ほどもお話した、先に踊った人とかちあわないようにするためもありますし、

出る場所を間違えるとスタッフさんも慌てます。

 

例えば、ピンスポットライトを操作している照明さん。

人の動きに合わせて動くピンスポットはとても遠い場所から操作しています。

次に踊る人は上手の2番目の袖から出ることになっている、

という場合は照明さんもそのつもりでスタンバイしています。

 

ところが、出演者が間違えて下手の2番目の袖から出てきたら、

ピンスポットで追えなくなってしまいます。

 

それから、音響さんに音楽のタイミングを出している舞台スタッフさんも慌てます。

上手の2番目の袖にスタンバイしているはずの次のダンサーが見当たらないと、

合図を出せず、踊りはじめと音楽のタイミングがずれてしまうかもしれません。

 

出る袖の場所を守ることは、

他のダンサーさんにもとってもスタッフさんにとっても大切なことなんですよ。

 

まとめ

 

いかがでしたか?

舞台での位置取りのコツがなんとなく理解できたでしょうか。

「場当たり」と呼ばれる前日リハーサルは時間が限られています。

短時間でいろんな段取りを頭と身体に入れていかなくてはいけないので、

自分がちゃんと覚えきるか、本番でちゃんとできるのか、とても不安ですよね。

本番への不安要素がひとつでも少なくなって、

お稽古のときの成果が存分に発揮できるように応援しています。

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