一挙紹介!バレエ・舞台の裏方スタッフの職種と仕事内容。公演の舞台裏 | 【自分に向いている仕事】を見つける方法

一挙紹介!バレエ・舞台の裏方スタッフの職種と仕事内容。公演の舞台裏

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バレエって、どうしてお金かかるのかしら?

子どもをバレエ教室に入れている親御さんの純粋な疑問ではないでしょうか。

バレエに限らず、舞台でパフォーマンスをする芸術の類は、とにかくお金がかかります。

それはなぜでしょうか?

 

簡単に言うと、舞台公演は、

多くの職種の人間の技術とマンパワーを総動員してつくりあげるからです。

とても多くの材料費と、とても多くの人件費がかかるから、と考えれば間違いないと思います。

 

今回は、様々な分野からバレエや舞台公演を支える、

たくさんの職種やスタッフの仕事内容について徹底解説していきます!

 

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バレエ裏方スタッフの職種と仕事内容【準備・公演前日編】

まずは、公演の前日までに必要なお仕事をする人たちです。

  • 広報さん
  • 衣装さん
  • 小道具さん
  • ピアニストさん

4つの職種を紹介します。

 

広報さん

まず、公演を行うことが決まったら、宣伝のためのチラシを作りますよね。

ホームページに新しい公演のページを新設したり、

予約フォームを管理したり、チケットを管理したりするのも広報のお仕事です。

日本のバレエ団において、広報のデザイナーさんまでカンパニーに所属していることは

あまりないかと思います。

ですから、いつもお願いしている外部のデザイナーさん、印刷所さん、

またチケットぴあなどの管理会社さんに委託することが多いと思われます。

 

衣装さん

プロのバレエ団が新作を作るときには、

衣装デザイナーが入って衣装をデザインし、新しく衣装をゼロから作ります。

「お針子さん」と呼ばれる衣装部のスタッフさんは、各場面で使う何種類もの衣装を

何十人ときにはもっと多くの人数分縫うのですから、

本当にものすごい労力なのは想像できるかと思います。

 

バレエの衣装は、身体にぴったりとフィットしなければなりません。

本番前の集中稽古でだいぶ身体を絞るダンサーもいるそうで、

直前まで微調整が必要なんだそうです

 

公演当日も舞台袖で待機する衣装さんも、数人必要です。

バレエ教室の場合は、衣装をレンタルすることが多いので、

当日の衣装の管理は教室の先生たちやお手伝いのお母さんたちの仕事になります。

 

レンタル衣装にはあらかじめ微調整用のムシ(ホックをひっかける留めの糸)

と呼ばれるものを縫い付けてよい場所が決まっており、

子供たちの身体に合わせて各家庭で事前にムシを縫い付けることが多いようです。

 

小道具さん

バレエ団だと「演出部」とよばれるチームで小道具さんを兼任することも多いようです。

バレエに必要な小道具ってピンとこないかもしれませんが、

例えば「くるみ割り人形」の花のワルツを踊るときに使う花輪であったり、

くるみわり人形であったり、その他の子供達がもらうプレゼントの箱であったり、

多岐にわたります。

 

特に振り付けに組み込まれる小道具は早くから準備する必要があります。

作ったり、買ったり、レンタルなどで準備し、管理する仕事です。

全幕を上演する場合は、小道具の量も半端ない量になるんですよ。

時には、舞台装置のスタッフに製作をお願いしたりする場合もあります。

 

ピアニストさん

バレエ団には専属のピアニストがいます。

バレエスタジオの片隅には必ずピアノがあり、

レッスンの時にバーレッスンやセンターレッスンまで

ずっと適切な音楽やリズムを奏でます。

 

バレエ音楽は、もともとオーケストラで演奏することを仮定しており、

フルスコアと呼ばれるオーケストラの楽譜がありますが、

それとは別にピアノのための楽譜があり、

ピアニストはこの楽譜をもとにダンサーの練習にずっと付き添います

 

劇場に入ってからも、オーケストラが全員揃ってピットに入る準備が整うまでは、

ピアニストが代わりに舞台上でのレッスンに付き合います。

ピアニストさんがその場で生の演奏をすることの一番のメリットは、

テンポが自由に調整できること、練習中に何度も繰り返し練習できること、でしょう。

 

バレエ教室の場合は、ピアニストさんがいない場合が多いので、

既存の音源よりも速いテンポで踊りたい、

ゆっくりしたテンポで踊りたい、といった場合は

先生自身が音楽の速さを編集することも多いみたいです。

 

ここまで、公演準備にかかわる4つの職種を見てきましたが、

すでに大きなお金が動いていることがおわかりいただけると思います。

 

海外のように劇場を持たない(持てない)日本のバレエ団は、

第一に劇場をおさえる(=借りる)だけでお金がかかるのです。

日本で、自分たちの劇場を持っているのは、新国立劇場バレエ団ただひとつです。

 

ですから、他のプロのバレエ団も、地方のバレエ教室も、

同様にお金を払って劇場を借りて公演を行う、という形を取らないといけないのです。

 

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バレエ裏方テクニカルスタッフの職種と仕事内容【公演当日編】

バレエ公演の本番当日を支える「テクニカルスタッフ」も、半端ない人数が関わります。

 

テクニカルスタッフには大きく分けて3種類あります。

  • 音響さん
  • 照明さん
  • 舞台さん

この3セクションです。

 

音響さん

ここで疑問がわく方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もし、オーケストラの演奏で踊るバレエ公演なら、音響さんは必要ないのではないか、と。

 

これはよく勘違いされがちなことなのですが、どんな舞台にも音響さんは必要です。

 

オーケストラの演奏は、舞台上より低くなったオーケストラピットの中で演奏されますが、

この音がそのままの音量音質で舞台上のダンサーにも客席に直接行き届くでしょうか?

 

答えはNOです。

音響さんは、オーケストラが奏でる音をマイクで細やかに拾って増幅し、

適切な音量、バランスに調整して舞台上のダンサーと客席へと届けています

 

ですから、時に舞台上で聞こえる音と客席で聞こえる音はまったく違う場合があります。

 

これはバレエに限らず、すべてのステージパフォーマンスに共通していえることです。

舞台上、客席だけではなく、ロビーであったり楽屋であったり、

舞台からとても遠い照明さんの調整室などへも、

必要な音を届けるのが音響さんのお仕事なんですね。

 

もし、オーケストラピットで演奏している映像などを見る機会があったら、

演奏者たちの譜面台の近くをよく見てみてください。

おびただしい数の収音マイクが立っているのに気づくでしょう。

 

音色は自然すぎて、全然わからないかと思いますが、

音響スタッフがこれらのマイクで各楽器の音色をピックアップして、

バランスを整えてから各場所へと送り届けているんですよ。

 

照明さん

それから舞台演出効果の花形ともいえる照明です。

バレエダンサーが美しく見えるのも、舞台照明の力が非常に影響しています。

舞台機構の上空には、かなり多くのサスペンションバトンというバトンが吊られています。

これらの電源が供給されるバトンに、たくさんの照明機材を吊るします。

 

サスペンションバトンだけではありません。

客席の上手側・下手側の上方から(つまり前方斜めから)舞台上を照らす照明。

客席の一番後方の上方から舞台上を照らす照明。

そして、舞台上の床にスタンドを立てて直に設置する照明などなど、

様々な角度・方向から舞台を照らします。

 

なぜなら、一方向からの光だけだと、人物はのぺ~っとした感じに見えますが、

光がいろんな方向から当たると、人物は非常に立体的に美しく魅せることができるからです。

すべての照明は、コンピューターで制御できるように設定されていて、

リハーサルのなかで、すべてのプログラムを作っていきます。

 

あと、バレエでは、センターピンスポットという手動で動かす照明もよく使われています。

パドドゥなどで男性女性の動きに合わせて動いていく照明が、センターピンスポットです。

 

舞台さん

そして、舞台裏でいそがしく動きまわるのは舞台さんです。

舞台さんも仕事がいろいろ分かれています。

 

舞台進行(統括)

各セクションが問題なくスムーズにまわるように連絡調整しながら

進行をするのが舞台進行のお仕事です。

舞台はとてつもなく多くの人間が関わっているので、

それらを統括する人がとても重要です。

 

大道具さん

そして、舞台のセット(背景幕や、シャンデリアや大階段などなど)を転換したりするのが、

大道具さんの仕事です。

バレエには欠かせないバレエマットを舞台全面に敷き詰める作業をしているのも大道具さんです。

 

演出部さん

それから、パフォーマーさんのケアをしてくれる演出部というセクションも

舞台の規模によってはあったりします。

 

演出部はいない場合も多いですが、

早着替えがある場合は、衣装さんとともに早替え場を整えたり、

演出上ちょっと危険な高所から登場する場合にはダンサーをアシストしたり、、

とにかくなんでも屋さんのセクションが演出部と呼ばれています

 

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プロのバレエ舞台は、生オーケストラ!演奏と振りはどう合わせるの?

そして、バレエ舞台の裏方として、「オーケストラ」の存在を忘れてはいけません。

 

オーケストラチーム

オーケストラチームは、なかなかダンサーと常に合わせて練習することが難しいので

普段はオーケストラチームだけで練習を行っています。

日本のバレエ公演の場合は、なかなかバレエ団専属の楽団を持てませんので、

公演ごとに都度編成されたメンバーで構成されています。

演奏者も、いろんなところに所属している人が公演のために集まっているのです。

 

ですから、オーケストラメンバーが全員揃って練習することですら、

けっこう至難の業、というわけなんです。

 

しかも、オーケストラのいる場所は、オーケストラピットといって、

舞台と客席の間の少し低くなった隔離された場所に、多くの演奏者が座って演奏します。

演奏者から舞台のダンサーは見えないのです。

 

指揮者

では、ダンサーとのタイミングを合わせたり、テンポを合わせたり、

というのはどのようにしているのでしょうか。

 

それが「指揮者」の仕事になります。

指揮者は、オーケストラピットの中にある高い指揮者台の上に立ちます。

客席には背を向けていますが、唯一舞台上のダンサーを見渡せる位置に立っています

 

バレエダンサーと音のタイミングって

実はものすごく難しく、とても重要なのです。

特に男性バリエーションなどは、

いきなりジャンプからスタートするものも少なくありません。

 

踏み切る足の2歩目で音が鳴らないといけない、とか、

跳びあがった一番高いところで音が鳴らないといけない、とか

非常にタイミングを合わせるのが難しいのですが、

それらはすべて指揮者の腕にかかっているのです。

 

オーケストラがいない舞台では、踊りと音楽のタイミングをどう合わせているの?

 

さて、すべてのバレエ公演が生のオーケストラ演奏で行えるわけではありません。

オーケストラがいない場合は、「音響さん」が音源を再生して公演を行います。

 

しかし、指揮者とは違い、客席後方の舞台音響調整室からでは、

遠すぎてダンサーの細かい足の踏切のタイミングなどは見えません

こういう場合はどうやってタイミングを合わせているのでしょうか。

 

実は、音響さんが二手に分かれ、

音の再生だけを担当する音響さんが、舞台袖にブースをかまえるのです。

そして、舞台袖の至近距離から目視で確認したり、

もし袖幕でダンサーが見えない場合は

舞台進行さんから直接合図をもらって音を再生しています。

 

以下は、わたし自身が働いていたときの舞台進行さんのやり方です。

 

まず、舞台袖でよく見える赤いライトと緑のライトを用意します。

向こう側の袖に待機しているダンサーさんに対して、

「舞台上に出てOK」の合図を出すときには右手で緑のライトをふります。

ダンサーさんが舞台上に出てポーズを確認したら、

再生担当の音響さんに合図を出す時は左手で赤いライトをふりおろして合図をしていました。

 

ダンサーの振りと音のタイミングというのは、

生演奏の場合も音源再生の場合も、とてもとても大切なことなんですね。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

なんとなくダンサーにしか注目していなかったバレエの公演が、

裏側でいろんなことが行われていると思うと、

また目線が違って興味がわいたのではないでしょうか。

 

同時に、なぜバレエにはこんなにお金がかかるのか、

ということも少しおわかりいただけたのではないかと思います。

 

バレエに限らず、舞台の公演をするにはものすごくお金がかかります。

映画は、撮影するのに莫大な費用がかかっても、

上映する時には人件費がかからなくなるので、たくさん上映すればするほどペイできます。

しかし、舞台はすべてがライブですから、何度公演しても多額の人件費がかかるわけです。

チケット代が高いのも、バレエ教室の月謝や発表会の衣装代などが高いのも納得です。

 

今回はバレエ公演の裏方の仕事にフォーカスしてお話してきました。

この機会に舞台のこと、バレエのこと、そして陰で支える裏方のことに

ちょっとでも興味をもってもらえたら嬉しいです。

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